いにしえのポルシェ  来る



20代の中頃、私はそれまで勤めていた会社を辞め「掃除屋」を東京で開業した。その当時
流行っていたドラマの影響だったかもしれない。サラリーマン生活に倦んでいたのだろう。
若かったその頃は何をしても食っていける自信があり、何のためらいもなかった。

ある日、本郷の菊坂あたりで、夕日を背に浴びて輝くポルシェが止まっているのを見かけた。
小さなボディにあの存在感、あの感動は何だったろう。埃まみれになりながら、いつか儲けて
こんなクルマをガレージに収めたいと闘志を燃やしたものだった。

35年の歳月を経て、ほんの少しの成功と山程の失敗を繰り返しながら、何とはなく、小じんまり
とした今のポジションに居座ってしまった。それが偶然の産物か、「検査付170諭吉」と引き換え
に今になってその「空冷ポルシェ」が我が家の一員となった。

新車の躍動感はもうとうに消え去ってしまったろう。だが当の本人とてそれは同じことだ。
それでも、この年代物にして充分に満足できる加速力を秘めていた。

ある程度、年を経た人ならわかってもらえるだろうか。決して最新のものというのではではなく、
若い頃に夢を見て、求めても得ることが出来なかったものへの憧れを。

ヒトから「何に乗ってます?」と聞かれ、「ふた昔前の空冷ポルシェに乗ってます」と答える
ことに何気ない晴れがましさを覚える。 

私は今、小さな夢の国にいる。

 

at 18:16, globeinc, 輸入キッチン紀行

-, trackbacks(0), - -

方言は面白い


「お国訛りは故郷への通行手形」と申します。

ツアーでフランスに行った時のこと。パリの有名ホテルのロビーで大声を出してる人がいた。
「チンコが無いんだよ!チンコが!元気が無くてオロオロしちゃって」とチンコ、チンコと連呼している。
いかに外国のホテルとはいえ少々、差しさわりがある。また同じツアーの日本人のようでもある。
小声でたしなめたところ、「金庫がなくて、貴重品の保管に困った、現金もってウロウロと・・」と
言いたかったらしい。どこかの社長さんで秋田の出身とのこと。いやはや人騒がせなことで・・・

名古屋の地下鉄で席が空いたので座ろうとしたら、可愛い女子中学生とバッティングしてしまった。
娘さん、私を見据え、突然「座ワりャー!!」と叫んだ。 「へっ?!」と唸って恐縮しながらも席を
譲っていただいた次第。言葉はともかくとして素敵なお嬢さんだった。
後から考えると「スワりャー」も「エビフりャー」も同じイントネーションだったように思う。

大阪の場末の雑貨屋に強盗が入ったそうな。普段、60歳くらいのオヤジが店番していたのが、
たまたまそのとき80過ぎのバアサンが居合わせた。ナイフを突きつけ「金を出せ」と脅す相手を
一瞥し、「金なんかオマッカイナ!!」と切り返した。よほどその言葉に説得力があったのか
その強盗、何も盗らずに退散したとのこと。

at 12:15, globeinc, 輸入キッチン紀行

-, trackbacks(0), - -

二千円札の粋な使い方


 外国で日本人が戸惑うものの一つにチップという習慣がある。実際には日本にも
昔からあり、今の旅館がホテル形式になる前には仲居さんにいくらかのお金を
手渡したものだ。「こころづけ」という。世話になる人に感謝の意を示すもので、
何とも言葉の響きがいい。

ところで最近は何故か二千円札を、とんと見かけなくなってしまった。表の守礼門
は貧相だし、裏が源氏物語にひらがなというのも妙である。肖像画がないのもまた
不思議ではあるが、ユニークとはいえ、使用可能なお札であることに変わりはない。

このあまり出回っていない二千円札だが「こころづけ」としては誠に使い勝手がよい。
千円ではちょと失礼だが、五千円では張り込み過ぎ、千円札二枚では野暮の極みと
いう場合だ。二千円札だと珍しさも手伝って、受け取ったほうも自然と笑みがこぼれる。

たまたま手に入ったときは大事にしまっておこう。そして機会を見て「こころずけ」を
粋に手渡すのも、中年以降の男性の(女性も)たしなみではないか。
「電車賃に」「これでお茶でも」「煙草でも」「甘いものでも」 何んにでも応用は効く。

at 13:23, globeinc, 輸入キッチン紀行

-, trackbacks(0), - -

年末に向けての、ミーレ掃除機キャンペーン !!



またまた、ミーレ掃除機のキャンペーン!
題して「年末の大掃除を完全バックアップ〜大掃除キットプレゼントキャンペーン〜」だと

唐突に新しいキャンペーンが始まるので少々戸惑ってしまいます。
キャンペーンとキャンペーンの間で普通に購入されたお客様には誠に恐縮ですが、
年末の大掃除に引っ掛けてのキャンペーンということで下記の「大掃除キット3点」が
もれなく「オマケ」となります。(写真参照)

    *ユニバーサルブラシ フレキシブル
    *マットレスノズル
    *ダストパックセット

更にグローブ・ショールームにご来店の上、ご購入いただいた方に限り、
「パソコン用クリーナーマット」(ミーレ掃除機をかたどったもの)をプレゼント。

受付期間: 本年12月末日
出荷期間: 来年1月10日出荷分まで
対象商品: S4212 スチールメタリック         ¥37,800−
        S6340 ハミングバード (ホワイト)    ¥47,880−
        S6250 Cat&dog (レッド)        ¥49,980-


        S5210  ポーラアイス             ¥39,900−
        S5280 シルバーパッションメタリック   ¥46,200−
        S 5580 ガーネットレッド メタリック    ¥52,500−(いづれも送料、税込み)

>>>お問い合わせ、ご連絡は
お問い合わせフォームTEL 06-6252-0102にてお問い合わせ下さい。

at 10:07, globeinc, NEWS・お知らせ

-, trackbacks(0), - -

男の独り鍋


一日中雨が降り続いていた。
今年は残暑がきびしく、夏が嫌いではない私も、さすがに、うんざりしてしまったものだ。
裸になっても寝苦しかった夜な夜なが、つい先ごろまで続いていたのに、雨が終わってからの
冷えは、まるで冬だ。

女房は何やらの会合に出かけ、息子も遊びに出かけた。独り、我が家でポツンと過ごすのも
独身時代を思い出し、決して悪いものでは無い。そんな夜の「男の小鍋立て」というもののお話。

極めてシンプルである。大根の上、1/3くらいを3cmの輪切りにし、皮をむく。十字の隠し包丁を
入れて湯通しする。鍋にたっぷりの水と酒、塩で下味をつけ、昆布を入れ煮立たせる。長ネギを
4cmの筒切りにし、柚子の皮を削って放り込み、大根の煮えるのを、ただひたすら待つ。
イカ刺しの酒盗和えをアテに燗酒をチビチビとやりながら大根が煮えるのを、じっと待つ。

準備が整ったら、大根を小皿に取り、刻みネギ、おろし生姜、削り節をまぶし、醤油をかけて食す。
家族団らんのときは寄せ鍋だが、男の独り鍋はメインの素材にあと一品くらいが丁度良い。
音楽もテレビも要らない。少しの灯りと明日への期待があればよい。

池波正太郎「梅安蟻地獄」よりの一節
  「さ、おあがり下さい」 梅安が小皿にとった大根をすすめると、「へ・・・・・」
  ちょっと半右衛門が目をみはって 「ちょうだい、いたします」 
  ひと口、大根を食べ、「おいしいものでございますなあ」 と、いった。 

at 09:04, globeinc, 輸入キッチン紀行

-, trackbacks(0), - -

過去記事すべてをご覧になられたい場合は、
輸入キッチン紀行はこちら
蔵出しお得情報はこちら