続 安藤広重「東海道五十三次」の疑惑
(写真の写りがボケていて申し訳ないですが・・・・)
地鯉鮒 三島 原
「地鯉鮒」・・・・・・馬市で知られた宿場。 春の陽炎をのどかに描く上段。 風景を押さえ、馬の
ボリュームとリアリティーに迫る広重。 構図は全く同じ。
「三島」・・・・・・・夜更けにたどり着いた旅人を描く上段。 疲れ果てた感じがよく出ている。
朝もやの中、早立ちを描く広重。これも旅人が中心に。人物の構図は同じ。
「原」・・・・・・・・渋い色使いで淡々と風景を描く上段。 茂った木々を取り払い、冬枯れの寂寥感を
バックにあくまで人物をアピールする広重。いずれも構図は同じ。
絵師、彫師、摺師と分担して量産する浮世絵版画。 版元から要請されればどんな元絵からでも
デザインするのがプロのグラフィックデザイナー。 仮に模写だとしても広重の絵の美しさや芸術性
はいささかも崩れるものではありません。 ヨーロッパに渡りゴッホやモネ等の印象派に影響を与え
「ジャパニズム」を起こさせたのは歴史的事実です。
或いは、何者かが後世の人を混乱させようと、念入りなトリックを仕掛けた愉快犯がいたとすれば、
その仕事量、質からしてアッパレという他ありません。 案外、歴史の裏側にはそんな罠もあるのかも
しれません。 成吉思汗と義経が同一人物と語り、聖徳太子は架空の人物と主張したりと、
案外、草端の陰でほくそ笑んでいる仕掛け人がいるのかもしれません。
どちらにしても我々に損も得も無い話。 酒の肴に楽しまれたらいかがでしょう。
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