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安藤広重「東海道五十三次」の疑惑

 過日、古本屋で面白い本を見つけました。15年くらい前の本です。まずは下記の写真をご覧下さい。


                庄野                                        蒲原             四日市               

上下二段のうち下段は言うまでもなく広重の「東海道五十三次」です。記念切手にもなりましたし、
昔、お茶漬海苔のオマケで集められた方もおられると思います。「日本橋」から「京都」まで全55点
から構成され、中でもこの3点は特に有名です。 ところで上段のよく似た絵は誰のでしょう?

著者はこれを司馬江漢(実在した人)と主張します。署名の筆跡と落款が酷似しているのだそうです。
肉筆で描かれていて全55点が画帖のままで、近年になって偶然発見されたというのです。
点数も宿場町も完全に同じで、内5点を除き構図、人物までもが全く同じといっていいものです。
ここまで似ていると決して偶然の一致とはいえません。

可能性として、
*江漢が広重の絵を模写した・・・・・50歳年上の江漢は広重の「五十三次」の刊行される15年前
 にこの世を去っています。ほとんど不可能。
*広重が江漢をコピーした・・・・・浮世絵は庶民の娯楽のようなもので、風景画は「旅行ガイド」
 役者絵は「ブロマイド」春画は「ポルノ写真」と販売を目的に作られています。職業絵師・広重
 がこの元絵を見て魅力を感じたとしても不思議ではありません。 これはあると思います。
*二人が偶然同じ元絵をコピーした・・・・・時代的にはどうでしょう。可能性は低い。
*後世の人が広重の絵を、江漢の名を騙って描いた・・・・・贋作は本来、金儲けのために描く
 もの。ならば何故、油絵に変えたのか? 何故、作者を変えたのか? また江漢の贋作を作る
 というなら、何故もっと江漢らしくて高く売れるものを選ばないのか。 誰が、何の為に?
  誰かが洒落で創るにしてはちょっと本格的で念入りにすぎないか。また、練習や趣味でスケッチ
 したものなら何故、サインと落款(印鑑)を偽造する必要があるのか?しかも販売が目的なら
 何故、画帖のままにしておいたのか?

この本の著者は広重の盗作(?)と断言しています。また本もそう信じるに足る内容になって
います。宿場毎にシーンを変え旅情をそそるという素晴しいエンターテイメントは実際には広重の
アイデアではなかったのでしょうか。ちょっとミステリアスな話です。

(ご興味のある方にはこの本をお貸しします。ハンディタイプで気軽に読めます。)

at 10:13, globeinc, 輸入キッチン紀行

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